多摩丘陵から。

トレイルランニングを中心とした日々の雑記帳です

2016 参戦レースまとめ

明けましておめでとうございます!!

ですが、もうバレンタインですね汗 ちょっと文章書くのが億劫になってしまい、このブログから離れていました…。ですが先日、2017年初の山行ということで奥多摩へ行ってきましたが、それを記事にする前に2016年の総括を行わないといけないと思った次第です。

さて、2016年の参戦レースを一覧表にしてみました。

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2016年前半はいいトレーニングも積めたこともあり、横田基地ハーフでは1時間20分という自己ベストを叩き出し、FTR名栗では年代別優勝をすることができました。しかし、8月から仕事が忙しくなり、気分も盛り上がらずDNSが多くなってしまいました。

振り返って原因を考えたとき、答えとなるのが過剰エントリーです。いろんなレースに出たいのですが、体は一つですし、仕事も付き合いもあるなか、年間14レースは多すぎました。

2017年は焦点を定めて、一撃必殺なレースをしたいですね!!

 

しかし、エントリー費が凄い…これに交通費やらなんやら入れたら、ボーナスも吹っ飛びますわ。経済的な視点からも改善しないといけませんね。。。

冬用ランニング手袋 THE NORTH FACE Windstopper Etip Glove

紅葉はほぼほぼ終わり、冬である。やはり冬のランニングの寒さは体に凍みる。

こうなると冬用のギアを欲しくなるもの。なのだが、ランニング歴も重ねると自然、それは大方揃うもので、これといって新調する必要はないのだ。しかし、必要となる理由があれば別である。また、新調によって心新たに冬のランに臨めるというのも魅力的なのである。(物欲という欲望を正当化するようなものだが)

手袋。

不精な私はノースフェースの冬用手袋の片っぽを紛失してしまった。ただ、本気で探せば見つけ出されるかもしれない。しかし例の物欲という私の欲望がそうはさせじと足を昭島のoutdoor villageへ向けさせた。

 

これまで使っていた冬用手袋はスマートホンが手袋を取らずとも使えることに重点を置いていたが、数年使っているとそんなことより、防風の方が重要であることがわかった。だいたい、手袋という分厚い生地ではスマートホンの繊細な操作が満足にできないのだ。そんなことをニヤニヤしながら昭島に降り立つ。

まず、私の贔屓ブランド、moutain hardwearに赴く。命題に叶う商品はプラズミックライトアウトドライグローブだ。OUT DRY加工により、防風に加えて防水機能も備えており性能の良さは余りある。登山にはいいだろうがはたしてランニングにはどうだろうか。とんでも手汗野郎の私には蒸れが気になるところだ。

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次にTHE NORTH FACEへ向かう。moutain hardwearより倍以上の品揃えだ。店員さんから防風なら一押しがこれと紹介されたのがWindstopper Etip Glove(ウインドストッパーイーチップグローブ)である。優れた防風性を持つGORE®WINDSTOPPER®を甲側に使用したタッチスクリーン対応のグローブということである。手のひら側は通気性のよい生地で蒸れを抑えている。フィット感、スタイルも良く、普段使いに適していそうだ。また、実際に着用してスマホを操作して驚いたのが、繊細な操作が思った以上にできることだ。

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で、実際に購入したのが後者のWindstopper Etip Glove(8,100円)である。購入後、ランと自転車で使用したが風の冷たさは気にならなかった。とはいえ気温15度前後での使用であるから軍手であっても気にならなかっただろう。本領を発揮してほしいのは冬本番の5度前後である。

と、言うことで冬が待ち遠しい今日この頃である。

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レースレポート15 第1回 妙高わくわく山岳マラソンMURA18(Myoko Ultra Run rAse 18)

 一雨ごとに秋が深まり、里山の紅葉が色づき始めたこの頃。私の地元の妙高高原にて地域活性化の一助として開催された妙高わくわく山岳マラソンに参加してきた。あらかじめ自転車による試走も行い、準備万端で望んだこのレース。その顛末をご一読いただければ幸いである。

●データ
本レースのデータは過去の記事の試走レポートを参照いただきたい。 

trailkun.hatenablog.com

 ●結果
55kmの部 4時間53分 男子7位

●前日
ハセツネ後、なかなか疲れが取れず足も重くジョギング程度のトレーニングしか積めていなかった。とはいえ、1か月もすると体が軽くなり心も溌剌としてきていいレースができそうな予感がしていた。天候も11月から好天が続いており、景色も楽しめることを期待してレース当日を迎えた。

●当日
ロング55kmの部は午前6時スタート。このため実家を午前4時に出発。土砂降りの雨が車を叩く。連日の快晴が嘘のように今日だけ天気が悪いようで、レース展開が苦しくなることを覚悟した。現地につくと雨も小康状態となり気温もそんなに寒くない。こうなると難しくなる雨対策だが、天気予報では回復の兆しありということで、レインウェアは羽織らず、ロングTシャツ、ロングタイツで臨むこととした。参加者は40名程度。こじんまりとした号砲だった。

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3kmほど先頭につき7名ほどの集団で走るが登りがきつくなるにつれて徐々に離される。9km地点の第一給水所にさしかかった時はほぼ独り旅状態。レースなのかトレーニングなのかよくわからなくなる。

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点在する集落の沿道に出てきてくれたおばあちゃん、おじいちゃん達の優しい応援や、エイドの温かいサポートがレースだということを思い出させる。

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登りはキロ6分前後の快調なペースで、下りはキロ4分後半と自重し足を温存する。30km地点の最後の登りで後方から鈴が聞こえてきた。しっかりとした足取りのようでその鈴の音のリズムは一定で狂いはない。さぞ健脚な筋骨隆々のランナーであろうと想像し道を譲った…が、想像を裏切り女性ランナーであった。抜きざまに「ファイト」と呟きあっという間にカーブに消えた重戦車のようなその足取りは並のランナーではないことを感じた。(後で知ったことであるが、この女性健脚ランナーはUTMF5位、信越五岳優勝という実績の地元でも有名なランナーということであった。)しかし、下りでその女性健脚ランナーを改めて追い越し差をつける。40kmを過ぎても足は快調、俄然ペースも上がりキロ4分前後で延々と続く15km近い下りを飛ばす…が、これが悪かった。ラスト10kmで上り基調になるのだがギアが変わらず、全く登れない!ふくらはぎも肉離れのような症状が出てきて走るのもやっとの状態。女性健脚ランナーに再度抜かれてしまったのもこの地点。あまりの悔しさに動かない足を殴りつけながらもがく地獄の10km。やはり練習不足が露呈してしまったようだ。何とかもがきながらもフィニッシュ。結果順位は7位。表彰台が6位までだったので残念であった。しかしラスト10kmで足が逝ってしまったものの、3つの山を気持ちよく登れたことや、走ることに集中できた無理のないペース配分など、レースの組み立ては成功だったと思う。

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●総評
妙高市facebookによると子ども向けの1.5キロ・3キロと、一般の10キロ・30キロ・55キロの全種目で合計120人のランナーが参加したとのことだった。ゴール後、表彰式があったが子供向けのレースはカテゴリーも細かくわけてより多くの子供たちが表彰できるよう大会側の配慮が素晴らしいと思った。

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また、このような限界集落を結ぶレースが地域活性に繋がり他府県の若者の入植に役立てられればと思った。事実、少なからず他県からの参加もあり将来的に妙高市を代表するレースになってもらいたいものだ。私自身としては、アミノバイタルを2時間に1本づつ、ザバスジェルを1時間に1本づつ摂取しエネルギーコントロールがうまくいったことが快走に繋がり今後のレースの糧になったと結論づけたレースだった。

  

次のレースはFTR100。しかし今の体力では挑戦は難しくDNSを検討している。

※写真は妙高市facebookよりお借りした。
https://www.facebook.com/%E5%A6%99%E9%AB%98%E5%B8%82%E5%BD%B9%E6%89%80-451015085055097/

火打山ピストントレイルラン 2016秋

先日、妙高わくわく山岳マラソン試走について記事にした。 

trailkun.hatenablog.com

 実家に帰省した目的はこの試走もあるが、さらなる目的は紅葉に燃える火打山に登山することである。火打山については、私が四の五の説明するより、Wikipedia先生から概要をお借りした方が分かりやすい。

***
火打山(ひうちやま)は、妙高戸隠連山国立公園内の新潟県糸魚川市妙高市にまたがる標高2,462mの頸城山塊の最高峰である。日本百名山、及び花の百名山に選定されている。

火打山 - Wikipedia

***
この山は、小学校頃の家族登山、中学校頃の学校登山、個人的な登山で数えきれないほど登っている山である。休火山妙高山、活火山の新潟焼山に挟まれた山で、名前とは裏腹な穏やかな山容に何度登っても新たな発見があり心が落ち着くところが私を惹かせるのだ。とはいえ、私が知っているのは新緑が鮮やかな火打山で、紅葉の時期に登ったことがないことが心残りであった。ということでこの度、時間ができたのでこの機会に登山を決行した。という経緯なのである。

·●アクセス方法
 バス 行き 妙高高原駅 7:20 ~ 笹ヶ峰   8:10
    帰り 笹ヶ峰    15:54 ~ 妙高高原駅 16:30

●·山行記録

 ルート 笹ヶ峰火打登山口
 距離 21.7km
 時間 4時間17分
 累積上昇高度 1,549m

 0.0km     0h0m     笹ヶ峰火打山登山口
 3.9km     0h59m   富士見平
 5.5km     1h16m   高谷池ヒュッテ
 8.2km     1h57m   火打山山頂
 9.4km     2h11m   火打山
 10.6km   2h28m   火打山山頂
 13.5km   2h55m   高谷池ヒュッテ
 15.0km   3k10m   富士見平
 21.7km   4h17m   笹ヶ峰牧場グリーンハウス

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·●山行メモ
前夜、家族に登山ルート、目的を熱く語ったところ兄から火打山の紅葉は10月初旬に終わっているだろうとの非情な情報。彼は若い頃、高谷池ヒュッテで住込みバイトをしており頸城山塊の事情通なのだ。とはいえ、登って見なければわからないではないか。当日、妙高高原駅から笹ヶ峰の火打山登山道入口まで頸南バスで向かう。片道1,000円だ。

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火打山登山道入口は立派だ。私が子供の頃は路肩から登山道に入ったものだが。

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十二曲がりまでは緩やかな木道が続く。そこから富士見平までの数㎞がこの登山で一番きついところだが、前半のためあっという間に越えられる。富士見平から高谷池ヒュッテまでの尾根道で火打山の全容が…やはり紅葉は終わっていた。残念。

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高谷池ヒュッテは冬支度のようだ。

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さあお待ちかねの天狗の庭。紅葉の時期は過ぎたが天狗の庭からの火打、影火打は素晴らしい眺望である。褐色に色枯れた天狗の庭もオツなものである。

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雷鳥平から山頂までは木道が整備され登りやすい。雷鳥保護を目的とした植生保護ためなのだろう。途中、雷鳥に出会えればと思ったが今回の山行ではその影も見えなかった…。そんなことを考えているとあっという間に山頂だ。さすがに少し歩いてしまった。まだまだである。

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一息ついて先に進む。活火山の新潟焼山近づくためだ。影火打山越しの焼山。

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新潟焼山は噴火警戒レベル1の活火山で、山頂から半径1km圏内は入山規制している。日本昔ばなしに出てくるような可愛らしいお椀型の山だが、かつて大学生登山家の命を奪ったという魔の山だ。影火打山の先の限界まで近づいてみた。

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噴煙は小さく登頂できそうだがルールは守らなければならない。いつか妙高山火打山を経て焼山から雨飾山を縦走してみたいものである。火打山に戻りお昼をとる。ワンコ登山家がいらっしゃった!

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あとは絶景を横目に下る。前腿が熱く重い。体力が落ちたことを痛感する。またこれから上げて行こう。笹ヶ峰まで下ると紅葉が鮮やかである。しばらく佇みちっぽけな私という人間を俯瞰してみた。万年の自然から見たら私の悩みなど塵のようなもの。なんだか笑えてきた。ま、野狐禅ではあるが。

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帰りは登山道入口には行かず足を伸ばしてグリーンハウスまで行った。笹ヶ峰牧場に牛さんの影はない。山を降りたようだ。帰りのバスまで3時間あまりをグリーンハウスのお茶屋で過ごす。おばちゃん曰く、今年の火打山の紅葉は1日で終わったとのこと。こんな珍しい事は今までなかったそうで。しょうがない。来年、またチャレンジしよう。

その他の火打山頂からの写真。妙高山

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北アルプス方面。

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糸魚川

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頚城平野。

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焼山方面から見た影火打と火打。

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贅沢な山行が終わった。

妙高わくわく山岳マラソン ~MURA18~ 試走

新潟の実家に帰省がてら、11月に参加予定の「妙高わくわく山岳マラソン ~MURA18~」を愛車のDAHON Curve D7で試走してきた。当日はこの地方では月に1回あるかないかの快晴に恵まれ、終始妙高山火打山に見守られて走ることができた。

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このレースは国際自然環境アウトドア専門学校がスタート、ゴール地点となっていることから推察できるとおりこの学校の学生さんが実行委員となっているレースで、公式webサイトのWhat's MURA18には実行委員の、ともすれば厨ニとも受け取られるようなこのレースにかける熱い思いがつづられている。

inacmura18.wixsite.com

詳細を抜粋すると以下のようなレースだ。

 大会名 MURA18 Myoko Ultra Run rAce 18 妙高わくわく山岳マラソン
 副 題 ~妙高わくわく山岳マラソン~
 開催日 ​平成28年11月6日(日) 
 特 徴 走って旅する日本一ハードなロードマラソン大会
     *距離55km、累積標高2,000m
​     *18の山間集落を駆け抜ける
 場 所 新潟県妙高市新井南部地域、大鹿地域、豊葦地域
 会 場 国際自然環境アウトドア専門学校
 ロング わくわくチャレンジコース 
     距離:55km  
     制限時間:10時間
     第1関門(平丸):5時間  
     第2関門(大濁):7時間30分
        ゴール関門:10時間

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私は上越生まれではあるがこの辺の地理にはとんと疎い。子供の頃、妙高パインバレースキー場(現在はアパリゾート上越妙高)に行ったぐらいで、それ以外に飯山方面に抜けるこの集落界隈など近づく用事がないのである。そもそもこのレースを知ったのも兄からの連絡である。こんな山岳ロードレースがあるが?という情報をいただき、ちょうどそのころ、私は信越五岳DNSを決めて傷心酒浸りになっていたこともあり、あまり深く考えずにエントリーをしたのである。しかし、レース間近になって地元とはいえ地理的イメージが全く湧かないため帰省がてら愛車のDAHON Curve D7(自転車)で試走を試みた次第である。 

前置きが長くなった。

結論、「わくわく」なんざしない、超ドS級の激坂を上り下りするドM垂涎のコースであることがわかった。試走結果をメモする。55kmコースに参加予定の方は参考にしていただきたい。

 ●概要 
まずは大会オフィシャルHPにも掲載ある高低図を見ていただきたい。大きな登りが2つ。その間に小さな山がある。2つ目の大きな登りまでに足を使い果たさないよう注意が必要だ。また、ゴール直前は上り基調になっており、最高標高地点から下ってきた足の具合によっては地獄の展開が予想される。つまり累積上昇高度2,000mとたかをくくると痛い目にあうレイアウトなのだ。このコースを設定した実行委員達のドヤ顔が目に浮かぶのである。f:id:trailkun:20161018142320p:plain●スタート~第1関門 
スタートからだらだらした上り坂が続く。5kmほど走ると数件の集落が目に入る。都会からきたランナーは、なぜこのような辺境に住み、どのように生計を立てているか不思議に思うだろう。かく言う地元上越で生まれ育った私も謎に思っているほどである。第1給水所手前の7km地点で長沢集落へ向かう分岐路に入るが、ここからがバカみたいな急な登りが始まる。

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ただしこの時点では第1給水所(9km)まであと2kmほどなので頑張れるだろう。また、百名山である妙高山火打山を望む絶景も背中を押してくれるはずだ。f:id:trailkun:20161019143823j:plain一つ目の山を超え長沢集落に第2給水所(15km)がありそこから小さな山を越える。上りは短いが、急登に注意したい。再度下ると第1関門の平丸集落(21km)だ。ここまでは足を温存すること。ここで一杯一杯であるとこのあと距離約10kmに及ぶ上りの峠道に敗退を余儀なくされるであろう。

●第1関門~第2関門 
平丸集落の間はだらだらした上りが続くが、集落が終わり本格的な峠にさしかかると滝が目に入る。滝が落ちるほどの高低差にも関わらず、大きな迂回はせずにそのままの斜度を道路が続くため、さすがに自転車を下りて手押しで進む。そのような登りが最高標高地点の30km(標高920m)まで続くのだ。バカとしか言いようがない。f:id:trailkun:20161019143930j:plain第4給水所のよし八池までくればあとは第2関門(42km)まで下る一方。途中、頚城平野が一望できる絶景ポイントがある。気持ちよく飛ばしたくなるが、第2関門からゴールまで上り基調ということを忘れずに、足を残したいものである。

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●第2関門~ゴール 
第2関門からゴールまでのコースは「悪質」だ。ランナーをいたぶるためのレイアウトとしか思えない。今回、自転車で試走したが、あの山々を乗り越えた末の、このアップダウンを走っている自分が想像できないのである。

 

ゴールの国際自然環境アウトドア専門学校に戻ってきた頃は夕暮れ。約5時間の旅。わくわくなどない、終始苦しいコースなのだった。ただ上越妙高の山村を巡る旅は、楽しいことに間違いない。

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本番のレースはどうなることやら。まぁ、完走を目標に頑張りたい。

 

レースレポート14 第24回日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」 ~ハセツネCUP2016~

今年もハセツネCUPに参戦してきました!!私自身記念すべき5回目のハセツネ。さてどうなったのか!?!?

●データ
第24回日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」
2016年10月9日 13時00分start  制限時間24時間
東京都奥多摩山域
累積上昇高度 3,939m
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 11時間37分
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前日まで
 8月に病にかかり走ることができなくなった。このため楽しみにしていた信越五岳もDNS。ここ1年間積み上げてきたトレーニングも水泡に帰すという事態に。とはいえ山が恋しい。9月の後半から体調も良くなり、ウォーキング、自転車からゆるゆる体を動かし始め、10月に入るころには短い距離なら山を走られるまでに復活。とはいえ、こんな状態でハセツネ完走などできるだろうか。棄権しようという思いと、一方であの絶望的な苦しみの先の何とも言えない精神状態を恋い焦がれる思いが錯綜し…。自問自答を繰り返し出た結論は…、「ゆっくり走ろう!」絶対に無理をしないで体と対話しながら。目標は完走。記録は度外視してハセツネを楽しもうということだ!

 当日
 朝から雨。8時に会場の武蔵五日市会館に到着した際も雨は降り続いていた。選手控えの体育館はまだ空いていて入口から一番遠い端に我が牙城を築く。マットレス、寝袋、アイマスク、耳栓。我ながら準備は万端だ。目をつむるだけの仮眠をとって鬨は午前11時。さぁ、始動。渋滞回避のスタートダッシュに対応すべく入念にアップをする。雨は上がったものの、蒸し暑い。奥多摩の山々を望むと霧が立ち込めている。ハイドレの水は多い方が良いようだ。スタート1時間前の12時には戦闘態勢を整えスタート地点へ向かう。昨年はゴールタイム10時間代のほぼ先頭を確保できたが今年はすでに100人近くが並んでいる。私は完走が目的…とはいえ渋滞によるロスタイムは避けたいところ。このため10時間台の中盤あたりに並ぶ。大会関係者がしきりに自分の力量にあったプラカードへ並ぶようアナウンスしているが、集団意識には焼け石に水と思った。

レース
※スタートから第一関門
 大人の崇高な遊びの開幕。いい大人たちが号砲とともに子供のように我さきと駆け出す。戦国時代の戦の一番槍をつける勢いとはこのようなものだったのではないかと思う。多分にこれから訪れる苦しみに対する異様な精神状態がそうさせるのではあるが、理由はそれ以外にもある。渋滞の回避である。2,500名近くのランナーが人ひとりがやっと通れる登山道になだれ込むわけだから必ず渋滞は起こるのである。後方では30分以上立ち往生もざらだとか。だから前述のように力量にそぐわない時間のプラカードに並ぶ事態が発生するのである。これはもう名物として達観すべきか。さて、そんなことを考えながら広徳寺からトレイルに入る。ここからはもう無理な追い越しはできないので周りの流れに身を任せるしかない。登りは積極的に歩くというペースの位置にはまってストレスなくあっという間に入山峠に到着した。58分。まぁ、悪くない。峰見通りも登りは歩く。足にダメージを与えないように。第一関門の浅間峠に着いたのは3時間24分。昨年より22分遅れ。調子は悪くない。 

※第一関門から第ニ関門
足はまだまだフレッシュ。今からスタートしたような感覚で気持ちも前傾姿勢。いい感じだ。まだヘッドライトまでは不要な暗さだが立ち込め始めた濃霧が気になる。西原峠を経て三頭山へ。西原峠から約400mの高度を登る急登。「ふふふ、今夏に登った八ヶ岳縦走に比べれば子供だましの登りだ…」と、言い聞かせ苦しみを散らせる。3,000m峰だろうが、1,400m峰だろうがきついものはきついのだ。「何を私はやっているのだ?」という恒例の意識乖離がぽつぽつ始まるころ合い。久しぶりの精神状態である。三頭山から鞘口峠の下り区間では本格的な濃霧に見舞われる。判断を誤ると滑落する危険があるため、慎重に下る。本来三頭山山頂から第2関門までは稼げる区間なのだが濃霧に比例してペースが上がらず、もどかしい思いをするがしょうがない。月夜見山でちょうどハイドレの水がなくなる。素晴らしいタイミングだ。第二関門の月夜見第二駐車場に着いたのは6時間39分。昨年のタイムより10分遅れ。第一関門では22分遅れだったから、ペースが上がってきたようだ。 

※第二関門から第三関門
 月夜見第二駐車場を出発すると激下りが待っている。三頭山の急な登りで稼いだ標高という貯金を無残にばら撒くような下り。さらにこの後に控える御前山の登りを思うと、重ねて気が重くなる。下りきると三頭山ほどではないだらだらした登りが続く。足も重くなってきた。後続ランナーに道を譲り始めたのものここから。元来負けず嫌いな私にとって屈辱ではあるが体調を考えると致し方ない。御前山まで来ればあとは大ダワを経て大岳山をちょこっと登れば金毘羅尾根を疾走しゴールなわけだが、ここからが私にとって本当のレースなわけである。大ダワまでの「豪華絢爛木段下り」だ。例年ここで足が使い物にならなくなるのである。もちろん今年もお逝きになられたのは言うまでもない。一歩一歩に大腿筋に激痛が走り呻く。ブレーキがきかなくなった暴走車のように坂を下る。まさに地獄。大岳山の取りつきではもう踏ん張る力がない…。大岳山からは代わって「豪華絢爛岩下り」だ。今年は雨がトッピングされているというカオスな状況。さらに悪いことに、ここにきて食糧がジェルあと2個ほどとなってしまった。約400kcal。ゴールまでは持たない…。節約して走るもハンガーノックが襲う。手足が痺れてきて走る気力もなく関門手前の参道をトボトボと歩いていると食糧の落とし物発見!!!グミ状の食糧が1袋。恥も外聞もない。むしゃぶりつく。柑橘系の酸っぱさと程良い甘さが舌に堪える。ありがとう、落とし主様。第三関門の長尾平へ到着したのは6時間39分。この区間3時間ジャスト。大ブレーキである…。

 ※第3関門からゴール
 長尾平でとうとうベンチに座る。ハセツネ中に腰を下ろすなど、初めての経験だがとりあえず休みたかった。先ほど拾い食いした食糧のカロリーが体に行き渡る感覚と同時に元気になってきた。人間の体とは不思議なものである。10分ほど休憩して再出発。下りではやはり呻くものの平地や軽い上りは走れる状態に。日の出山頂からの都内の夜景を初めてゆっくりと眺めた。ベンチに座って夜景を堪能し金毘羅尾根に向かう。三頭山の登りから「何を私はやっているのだ?」という自問自答を数百回繰り返してきたが、金毘羅尾根まで来るとそれが生命や血の流れを感じ、家族をはじめこれまでお世話になった人への感謝への気持ちへ昇華し、自然と涙が出てくる。残り5kmのポスト。苦しみの道程が終わってしまう…。苦しいけどもっと走りたいという、訳の分からない精神状態になったとき眼前に武蔵五日市の街灯が目に入り、レースは終焉を迎えた。11時間37分でフィニッシュ。

 ※ゴール後
 奥宮さんがゴールで待っており、握手。興奮して何を話したか覚えていない。恐らく独りよがりの発言をしたのであろう。お恥ずかしい。さすがに終電はないため、近くのスーパー銭湯にバスで連れて行ってもらい入浴とお食事を済ませ仮眠し足をひきずりながら帰宅したのであった。

 

  ●総評
 病のため、1年で一番走らなければならない8月に走れなかったこと、また病み上がりであったことを考慮すれば、現状最大の力は出せたと思っている。特に体と対話して無理をせず走れたことはいい経験になった。良かったことは2点ある。まず水分量だ。アップ時の湿度から水分は多めが良いと判断し、ハイドレに入れていた水を1.5リットルから0.5リットルを追加し2リットルにしたことだ。これにより脱水症状には陥らなかった。(第二関門で脱水症状によるリタイアが多かった)2点目は今年は手袋をして走ったことだ。何度か転倒したが手に傷はなく手袋の重要性を知ったことは良かった。

悪かったことはハンガーノックに陥ったこと。今回は完走タイムに合わせたカロリーを持たず、ジェルとゼリーのみで固形物を持たなかった。落とし物の食糧を拾わなかったら金毘羅尾根で動けなくなっていたかもしれない。ゾッとする。来年はこれらの反省を踏まえて体調を整えサブ10、サブ9を狙いたい。

 ***

さて、思い入れのある大会のため長文となってしまいましたがいかがでしたでしょうか。レースから3日経った今もまだ筋肉痛。後遺症は続きそうです。

 

2016 八ヶ岳縦走④ 第3日目(最終日)

八ヶ岳縦走。3日目、最終日。2日目に南八ヶ岳核心部の縦走をなんとか成功させ、最終日は北八ヶ岳の核心部を縦走。ハイライトは100名山の蓼科山。さぁ、どうなったのか!?!?

  黒百合ヒュッテテント場。午前3時前に起きるも二度寝…。3時15分頃から行動開始し、朝食とテントの撤収でもたつき出発したのは4時30分。もうちょっと早くしたいものです。ヒュッテの受付にテント札を返したとこと5枚ほど返却済みの札が。やはりみなさん、朝が早い。さて、黒百合ヒュッテ見晴台からご来光。素晴らしい雲海と朝日。
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高見石小屋までは一方的な下り。朝霧が幻想的で、本当に気持ちよかった!
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高見石小屋から麦草峠へ出るルートはいくつかありますが、最短の丸山を経由するルートを選択。丸山山頂でしばし朝日を浴びる。
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麦草峠への激下りを過ぎると苔の世界。苔好きなの母を近々に連れてきたい場所です。
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麦草峠到着。蓼科山へは時間的には余裕がありますがどうも身体の調子が良くない。麦草峠の公衆トイレで用を足すもお腹がゆるく、足も痛い。麦草峠から眺める茶臼山。ガスがなんだか前途多難な感じ。
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茶臼山の登りは傾斜がありまた砂地で登りづらかった記憶があります。しかし、あっという間に山頂についてしまいました。山頂から少しそれた見晴台からはこれまで辿ってきた南八ヶ岳の山々が。
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右から編笠山阿弥陀岳(登ってない)、赤岳、横岳、雲にかかった天狗岳。しばし絶景を眺め写真を収める。20枚以上撮ったかな。
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ただ、体調がすぐれず足が痛い。足裏が痛いのでどうやら靴が合わないよう。靴紐を強く締め過ぎたのか?地図を眺めルートを再考。無理せず縞枯山を降りたら北八ヶ岳ロープウェイで下山するルートに変更することをほぼほぼ心に決めましたが…。茶臼山山頂に戻ると、見るからにトレランやってそうな屈強なお兄さん達が登頂されており声をかけられました。

屈強なお兄様「今日はどこまで?」

若輩「北横岳、蓼科山へ行こうと思いますが、ちょっと時間的に無理なのでロープウェイで降りようかと…。」

屈強なお兄様「まだまだ8時半、全然行けるでしょう!?」

若輩「そうですよね!」

と、やりとり。さらにはトレラン話で盛り上がり、屈強なお兄様たちはどうやら山梨の方々らしく、トレランレースは身延山 七面山修行走がおススメだよ!とのこと。そんな感じで気分も向上。当初の予定通り蓼科山へ向かうこととしました!
縞枯山。山頂付近はその名の通り、縞枯現象地帯。
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雨池峠では三ツ岳を通らず縞枯山荘方面から北横岳へ上るルートを選択。蓼科山へ向けて極力体力は温存したいところ。さて、縞枯山荘は絵にかいたような山小屋で思わず写真を撮ってしまいました。泊まってみたいですね。
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北横岳はロープウェイで2,200mまで来られて実質200m程の標高で山頂に到達できる、標高が高い割にはお手軽なルート。このため老若男女が登っておられました。山頂も絶景でこれなら年老いた両親でも登られそうです。
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山頂から北側を望むと蓼科山が!気合一発スタート!
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蓼科山へ向かうルートは2つあり、大岳、双子池に寄って亀甲池へ向かうルートと、最短で亀甲池へ下るルートがあります。しかし地図をよく見なかった私は、山頂から下りるルートは一つしかないと思い込み、道標を確認せず目についた下山ルートから蓼科山へ向かいました。歩けど歩けど蓼科山は左手後ろに向かいます。おかしいと気づいた時にはもう大岳に近づいていました。
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…やってしまった。北横岳に戻る気力もなくこのまま双子池へ下ることに。ここは「天狗の露地」と言われる大岩が連続する岩礁帯。岩と岩を跳ねながら歩くさまはまさに天狗…。
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追い打ちをかけるように足裏が限界に。一歩一歩が激痛。呻きながら歩く。双子池に着いた時は草むらに荷物と靴を投げ出し大の字に転がる。

もう、限界!蓼科山は回避!!!

で、あればロープウェイで下山していれば良かった。と後悔しながら30分程大休止。f:id:trailkun:20160811071644j:plain
双子池ヒュッテの方に竜源橋バス停までの道のりを聞いたところ、亀甲池まで行けばあとはなだらかな下りとのことで、ゆっくり下山することに。もうそれはゆっくり。亀甲池では本来なら2時間前にはここに来ていたはずなのにと思いながら足裏をマッサージ。(しかし、この足で蓼科山へ行かなくて正解でした)
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天祥寺原から望む蓼科山。敗退ではない。勇気ある撤退だ!今秋の再チャレンジを誓いバス停へ向かうのでした。
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足裏の激痛に呻きながら竜源橋バス停に到着!ここでも路肩の草むらに大の字になり倒れ込む。ビーナスラインを疾走する車、バイクから怪訝な視線を受けるも、それがどうした。もう体力などないのだ!時刻表を見ると茅野駅行きバスまで2時間待ち。あぁ、長い。。。
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バスは直接茅野駅に向かうわけではなく蓼科リゾートをグルグル巡回する巡回バス。1時間30分近くバスに揺られ…、茅野駅に着いたのは17時30分。臨時特急あずさに乗り込みお疲れビール。
f:id:trailkun:20160811072846j:plain地図を見返し、反省と再挑戦時の対策。次回は、キレット小屋、麦草峠の2泊で三ツ岳も含めるルートで縦走しようと思いました。ただし!大岳は絶対に行きません!!

★第3日目★
ルート:黒百合ヒュッテ ~ 竜源橋
歩行距離: 18km
累積上昇高度:1,332m
行動時間:9時間30分
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ルート&標高★
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