多摩丘陵から。

トレイルランニングを中心とした日々の雑記帳です

レースレポート5 2015 第23回 日本山岳耐久レース ハセツネCUP 忘備録

今年も参戦させていただきました!思い入れの強い大会のため、長文となりますが、お付き合いいただければと。どうぞ、よろしくお願いいたします。

■トレーニング
6月、7月、8月と300km近くを走りこみました。しかし。9月は資格の勉強のためノーラン(本当は木曽町グレートトラバースDNFの傷心が癒えず、走ることが嫌に…)とはいえこれではダメだ!ということで、10月に入り、100km少々。明らかにトレーニング不足…。

■前夜
仕事やプライベートで精神的に、日々落ち着かない状態が続く。案の定、前々日に風邪をひき、唾を飲み込むだけで喉に激痛が走るという、体調は最悪となる。

■当日
朝、起きると喉の痛みと頭痛でDNSするか逡巡し布団の中でモジモジ。しかし、クリック競争に負けた同志達に報わんと、一念発起で布団を蹴り飛ばし、いざ、武蔵五日市駅へ!!

■現場
スタート3時間前の10時に現着も控えの体育館は満杯。なんとか同志にスペースを分けていただき1畳程の牙城を築く。現地ショップで装備品の調達のやアップをするとあっという間にスタート1時間前。さぁ。出陣。ベスト10時間3分の私はもちろんサブ10を目指し、10時間以内プラカードの待機場所へ。(トレーニング不足のくせに…笑)

■レース直前
毎年、10時間以内の待機場所のある程度前に陣取っても、招待選手のなれ合い?一般参加者がなだれ込み、後方に追いやられるのが常の為、前から4番目ぐらいの列に並ぶ。さすがに主催側もそのなれ合い参加者にクサビを入れるためか、きちんと区切りをつけ招待選手を先にスタートゲートへ入場させる…までは良かったが、勝手が違ったと判断したなれ合い参加者たちがルールを守る我々の前に。これではプラカードの意味なし。…憤慨するのは、私だけか?

■レース
①Start ~ 第一関門
さて、例年になく開会式も順調に進み号砲!スタートダッシュ成功!アップを入念にしたため足が動くのです。広徳寺前で憧れの佐藤光子選手を追い越した時は、ちょっとペースが早いか?と疑念を持つも渋滞を回避するためにペースは落とせない。(もちろん佐藤選手には軍刀利神社前であっさりパスされてしまいましたが)渋滞までは行かずにしろ、何度か足踏みする個所ありました。しかし、それはそれでいい休息に。今熊山の急登をさばくとそれからは気持ちよい上り基調のトレイルに。ふむ。ハセツネさんお久しぶりです。入山峠には52分で到着。峠の階段では2、3人の待機者がいらっしゃいましたが、私が登るときに後方を振り返ると十数人の渋滞に。数分で大渋滞になるのは容易に予想ができます。恐ろしや。さて、峰見通り。相変わらずのトリッキーな登りと下りが続きますが、足がまだビンビンのため、ニヤニヤしながらかつ体力をセーブしながら突き進みます。っが!!市道山分岐手前の急登で第一のハプニング!!第一次地蜂襲来!!!ブ~~~ンッといやな音がするため、頭を振り払った瞬間ふくらはぎに激痛が!!ゲーターの上から両足それぞれ1か所を刺されました!「蜂に気を付けて!」と叫ぶも遅し、我らが同志も次々と負傷。ちょっとしたパニック!しかし進むしかない。前途不安になるも、蜂に刺されたことはある私。ショック症状が無いか身体を問診しながら進むも特に問題なさそう。ま、大丈夫か?と伝家の宝刀の開き直りで醍醐丸まで気持ちよく走る。しかし、連行山、生藤山、熊倉山と醍醐丸から第一巻門の浅間峠への6km強の道は厳しい。それは醍醐丸までのハイペースの跳ねっ返りの負荷がここに来るからです。さらに濃霧が前途多難を想像させ、やるせなくなります。大きな登りを越え、小さな下りを経て…を何セットしたでしょうか。もう、いや!!というときに第一関門の浅間峠。

②第一関門~第二関門
第一関門の浅間峠通過は3時間5分。ベストタイム。悪くない。が、前回大会と同じく、ポジティブになれません。初参戦時は「さぁここからだ!」ってワクワクしたのに。浅間峠から西原峠までの9kmが本当に長く辛い。そして泣きっ面に蜂を字で行く第二次蜂襲来!!丸山手前で前を走る同志が悶絶するので、瞬間やばい!っと思ったらバチコーン!っと、ふくらはぎを地蜂に射抜かれました。もう、いや(泣)もう、完走する自分が想像できない。リタイアを考えてさらにネガティブに。三か所も蜂に刺されるなんて…。しばしうなだれながら走りますが、ここでも伝家の宝刀の「ま!何とかなるんじゃない!?」という開き直りを発動。しかも丸山から西原峠までは、笹藪の走りやすいトレイル。ここで気持ちを落ち着けいざ、三頭山へ!!私は三頭山の登りはは好きなんです。まだレース中盤ということもあり、またレース中の最高峰を獲るという気持ちもあり、そして「山」という感じのメリハリのある登りだからです。あっという間に山頂ゲット。「ゲット!」と言っても達成感は束の間。鞘口峠までのスリッピィーな下りは恐怖でしかない。木曽町グレートトラバースの事もあり、下りは苦手。時に生まれたての仔馬のような足取りで階段を下ります。鞘口峠からは濃霧の中気持ちよいトレイルが続きます。本当に天国を走っているみたい。常日頃の喧噪を忘れこのまま走りたい…が、現実という名のアスファルト道にぶち当たり、ッチェェ!!しかしてなぜか、毎年ここは気持ちよい。なんとも躁鬱の激しいコースなのだ。

③第二関門 ~ 第三関門
第二関門の月夜見駐車場に到着したのは6時間28分。前回大会より5分遅れ。お兄さんに給水いただいてホッとするもゴールを尺度として予想すると、体力の擦り減りが多いことを感じました。これから控える御前山の登りを思うと、鬱に。穏やかな山容なのに、これでもかってほどに痛めつける。本当にSっ気の強いお山だこと!御前山は登りよりも下りが怖い。何度も走ったことがある方はおわかりでしょうが、三頭山、月夜見山、御前山に痛めつけられた大腿筋を、あの地獄の下り木段が襲うのです。もう、車で言うフェード現象。前腿がイカレて止まらない。でも我慢の下り。しかし大ダワのボランティアの方の声が聞こえた瞬間、ホッと力が抜けたのか、右足を挫きトレイル経験上初の前回り大転倒。お尻を痛打し数秒うずくまる。恐る恐る立ち上がろうとすると、激痛。でも骨に異常はないことを察知。岩場でなかったことが救いか。大ダワ通過は7時間53分とそれでも前回大会と比較して5分遅れ。しかし前回大会と明らかに違うのは蜂に3か所刺されたこととお尻の打撲。もう、ここで決定的に心が折れました。大岳山の下りの岩場はお尻の激痛と、言うことの効かない大腿筋のおかげで「まさぐる」ように降りる。何十人の同志達の喜々として走り下っていく姿を羨望しながら。

④第三関門 ~ ゴール
第三関門の長尾平には9時間13分。前回大会は8時間57分で第三関門を通過し10時間18分でゴールしたから、1時間20分ほどのペース。今回、10時間台に納めるにはあと1時間45分。そして、今の体力を天秤にかけ…うん。キロ8分ぐらいのジョグペースなら行ける。と、判断し、何とかポジティブに気分を持っていこうとしますが、元来負けず嫌いの私は、同志に励ましながら追い越されるたびにプライドが削られ自己嫌悪に…。しかしTHE金毘羅尾根。これまでの辛く厳しく打ちのめされても正々堂々とそれに打ち克った自分という強さをひしひしと感じて走ることができる、ハセツネの尾根。もう、順位やタイムなんて関係ない。と、思っても、街並みに入ると猛然とダッシュして同志を追い越してしまうのは、ランナーの性か…。それでも10時間40分代でフィニッシュ!

■ゴール後
ゴール後終電に帰りたい一心でトン汁もいただかず、体育館へ直行!も、終電には間に合わず。荷物整理し着替え、奥宮選手が優勝ということに歓喜し、寝袋に潜り込む…も、猛烈なのどの痛み。唾をも飲み込めないほど。ふくらはぎは3か所蜂に刺され、お尻は打撲で、そこかしこに擦過傷。そして風邪をこじらす(そりゃ、こじらすわ!)ハセツネ4回目にして、改めてハセツネの洗礼を受けたのであります。

■その後
翌朝、始発で帰り家事をこなして8時にわが家の布団に潜り込む。相変わらずのどの痛みでよだれダラダラだけど、爽快な疲労感で就寝。夢で、霧に濡れた石で転んでハッと飛び起きる!そして苦笑い。やっぱり、ハセツネは止められない!

 

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