妙高わくわく山岳マラソン ~MURA18~ 試走
新潟の実家に帰省がてら、11月に参加予定の「妙高わくわく山岳マラソン ~MURA18~」を愛車のDAHON Curve D7で試走してきた。当日はこの地方では月に1回あるかないかの快晴に恵まれ、終始妙高山、火打山に見守られて走ることができた。
このレースは国際自然環境アウトドア専門学校がスタート、ゴール地点となっていることから推察できるとおりこの学校の学生さんが実行委員となっているレースで、公式webサイトのWhat's MURA18には実行委員の、ともすれば厨ニとも受け取られるようなこのレースにかける熱い思いがつづられている。
詳細を抜粋すると以下のようなレースだ。
大会名 MURA18 Myoko Ultra Run rAce 18 妙高わくわく山岳マラソン
副 題 ~妙高わくわく山岳マラソン~
開催日 平成28年11月6日(日)
特 徴 走って旅する日本一ハードなロードマラソン大会
*距離55km、累積標高2,000m
*18の山間集落を駆け抜ける
場 所 新潟県妙高市新井南部地域、大鹿地域、豊葦地域
会 場 国際自然環境アウトドア専門学校
ロング わくわくチャレンジコース
距離:55km
制限時間:10時間
第1関門(平丸):5時間
第2関門(大濁):7時間30分
ゴール関門:10時間
私は上越生まれではあるがこの辺の地理にはとんと疎い。子供の頃、妙高パインバレースキー場(現在はアパリゾート上越妙高)に行ったぐらいで、それ以外に飯山方面に抜けるこの集落界隈など近づく用事がないのである。そもそもこのレースを知ったのも兄からの連絡である。こんな山岳ロードレースがあるが?という情報をいただき、ちょうどそのころ、私は信越五岳DNSを決めて傷心酒浸りになっていたこともあり、あまり深く考えずにエントリーをしたのである。しかし、レース間近になって地元とはいえ地理的イメージが全く湧かないため帰省がてら愛車のDAHON Curve D7(自転車)で試走を試みた次第である。
前置きが長くなった。
結論、「わくわく」なんざしない、超ドS級の激坂を上り下りするドM垂涎のコースであることがわかった。試走結果をメモする。55kmコースに参加予定の方は参考にしていただきたい。
●概要
まずは大会オフィシャルHPにも掲載ある高低図を見ていただきたい。大きな登りが2つ。その間に小さな山がある。2つ目の大きな登りまでに足を使い果たさないよう注意が必要だ。また、ゴール直前は上り基調になっており、最高標高地点から下ってきた足の具合によっては地獄の展開が予想される。つまり累積上昇高度2,000mとたかをくくると痛い目にあうレイアウトなのだ。このコースを設定した実行委員達のドヤ顔が目に浮かぶのである。●スタート~第1関門
スタートからだらだらした上り坂が続く。5kmほど走ると数件の集落が目に入る。都会からきたランナーは、なぜこのような辺境に住み、どのように生計を立てているか不思議に思うだろう。かく言う地元上越で生まれ育った私も謎に思っているほどである。第1給水所手前の7km地点で長沢集落へ向かう分岐路に入るが、ここからがバカみたいな急な登りが始まる。
ただしこの時点では第1給水所(9km)まであと2kmほどなので頑張れるだろう。また、百名山である妙高山・火打山を望む絶景も背中を押してくれるはずだ。一つ目の山を超え長沢集落に第2給水所(15km)がありそこから小さな山を越える。上りは短いが、急登に注意したい。再度下ると第1関門の平丸集落(21km)だ。ここまでは足を温存すること。ここで一杯一杯であるとこのあと距離約10kmに及ぶ上りの峠道に敗退を余儀なくされるであろう。
●第1関門~第2関門
平丸集落の間はだらだらした上りが続くが、集落が終わり本格的な峠にさしかかると滝が目に入る。滝が落ちるほどの高低差にも関わらず、大きな迂回はせずにそのままの斜度を道路が続くため、さすがに自転車を下りて手押しで進む。そのような登りが最高標高地点の30km(標高920m)まで続くのだ。バカとしか言いようがない。第4給水所のよし八池までくればあとは第2関門(42km)まで下る一方。途中、頚城平野が一望できる絶景ポイントがある。気持ちよく飛ばしたくなるが、第2関門からゴールまで上り基調ということを忘れずに、足を残したいものである。
●第2関門~ゴール
第2関門からゴールまでのコースは「悪質」だ。ランナーをいたぶるためのレイアウトとしか思えない。今回、自転車で試走したが、あの山々を乗り越えた末の、このアップダウンを走っている自分が想像できないのである。
ゴールの国際自然環境アウトドア専門学校に戻ってきた頃は夕暮れ。約5時間の旅。わくわくなどない、終始苦しいコースなのだった。ただ上越、妙高の山村を巡る旅は、楽しいことに間違いない。
本番のレースはどうなることやら。まぁ、完走を目標に頑張りたい。
レースレポート14 第24回日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」 ~ハセツネCUP2016~
今年もハセツネCUPに参戦してきました!!私自身記念すべき5回目のハセツネ。さてどうなったのか!?!?
●データ
第24回日本山岳耐久レース「長谷川恒男CUP」
2016年10月9日 13時00分start 制限時間24時間
東京都奥多摩山域
累積上昇高度 3,939m
11時間37分
●前日まで
8月に病にかかり走ることができなくなった。このため楽しみにしていた信越五岳もDNS。ここ1年間積み上げてきたトレーニングも水泡に帰すという事態に。とはいえ山が恋しい。9月の後半から体調も良くなり、ウォーキング、自転車からゆるゆる体を動かし始め、10月に入るころには短い距離なら山を走られるまでに復活。とはいえ、こんな状態でハセツネ完走などできるだろうか。棄権しようという思いと、一方であの絶望的な苦しみの先の何とも言えない精神状態を恋い焦がれる思いが錯綜し…。自問自答を繰り返し出た結論は…、「ゆっくり走ろう!」絶対に無理をしないで体と対話しながら。目標は完走。記録は度外視してハセツネを楽しもうということだ!
●当日
朝から雨。8時に会場の武蔵五日市会館に到着した際も雨は降り続いていた。選手控えの体育館はまだ空いていて入口から一番遠い端に我が牙城を築く。マットレス、寝袋、アイマスク、耳栓。我ながら準備は万端だ。目をつむるだけの仮眠をとって鬨は午前11時。さぁ、始動。渋滞回避のスタートダッシュに対応すべく入念にアップをする。雨は上がったものの、蒸し暑い。奥多摩の山々を望むと霧が立ち込めている。ハイドレの水は多い方が良いようだ。スタート1時間前の12時には戦闘態勢を整えスタート地点へ向かう。昨年はゴールタイム10時間代のほぼ先頭を確保できたが今年はすでに100人近くが並んでいる。私は完走が目的…とはいえ渋滞によるロスタイムは避けたいところ。このため10時間台の中盤あたりに並ぶ。大会関係者がしきりに自分の力量にあったプラカードへ並ぶようアナウンスしているが、集団意識には焼け石に水と思った。
●レース
※スタートから第一関門
大人の崇高な遊びの開幕。いい大人たちが号砲とともに子供のように我さきと駆け出す。戦国時代の戦の一番槍をつける勢いとはこのようなものだったのではないかと思う。多分にこれから訪れる苦しみに対する異様な精神状態がそうさせるのではあるが、理由はそれ以外にもある。渋滞の回避である。2,500名近くのランナーが人ひとりがやっと通れる登山道になだれ込むわけだから必ず渋滞は起こるのである。後方では30分以上立ち往生もざらだとか。だから前述のように力量にそぐわない時間のプラカードに並ぶ事態が発生するのである。これはもう名物として達観すべきか。さて、そんなことを考えながら広徳寺からトレイルに入る。ここからはもう無理な追い越しはできないので周りの流れに身を任せるしかない。登りは積極的に歩くというペースの位置にはまってストレスなくあっという間に入山峠に到着した。58分。まぁ、悪くない。峰見通りも登りは歩く。足にダメージを与えないように。第一関門の浅間峠に着いたのは3時間24分。昨年より22分遅れ。調子は悪くない。
※第一関門から第ニ関門
足はまだまだフレッシュ。今からスタートしたような感覚で気持ちも前傾姿勢。いい感じだ。まだヘッドライトまでは不要な暗さだが立ち込め始めた濃霧が気になる。西原峠を経て三頭山へ。西原峠から約400mの高度を登る急登。「ふふふ、今夏に登った八ヶ岳縦走に比べれば子供だましの登りだ…」と、言い聞かせ苦しみを散らせる。3,000m峰だろうが、1,400m峰だろうがきついものはきついのだ。「何を私はやっているのだ?」という恒例の意識乖離がぽつぽつ始まるころ合い。久しぶりの精神状態である。三頭山から鞘口峠の下り区間では本格的な濃霧に見舞われる。判断を誤ると滑落する危険があるため、慎重に下る。本来三頭山山頂から第2関門までは稼げる区間なのだが濃霧に比例してペースが上がらず、もどかしい思いをするがしょうがない。月夜見山でちょうどハイドレの水がなくなる。素晴らしいタイミングだ。第二関門の月夜見第二駐車場に着いたのは6時間39分。昨年のタイムより10分遅れ。第一関門では22分遅れだったから、ペースが上がってきたようだ。
※第二関門から第三関門
月夜見第二駐車場を出発すると激下りが待っている。三頭山の急な登りで稼いだ標高という貯金を無残にばら撒くような下り。さらにこの後に控える御前山の登りを思うと、重ねて気が重くなる。下りきると三頭山ほどではないだらだらした登りが続く。足も重くなってきた。後続ランナーに道を譲り始めたのものここから。元来負けず嫌いな私にとって屈辱ではあるが体調を考えると致し方ない。御前山まで来ればあとは大ダワを経て大岳山をちょこっと登れば金毘羅尾根を疾走しゴールなわけだが、ここからが私にとって本当のレースなわけである。大ダワまでの「豪華絢爛木段下り」だ。例年ここで足が使い物にならなくなるのである。もちろん今年もお逝きになられたのは言うまでもない。一歩一歩に大腿筋に激痛が走り呻く。ブレーキがきかなくなった暴走車のように坂を下る。まさに地獄。大岳山の取りつきではもう踏ん張る力がない…。大岳山からは代わって「豪華絢爛岩下り」だ。今年は雨がトッピングされているというカオスな状況。さらに悪いことに、ここにきて食糧がジェルあと2個ほどとなってしまった。約400kcal。ゴールまでは持たない…。節約して走るもハンガーノックが襲う。手足が痺れてきて走る気力もなく関門手前の参道をトボトボと歩いていると食糧の落とし物発見!!!グミ状の食糧が1袋。恥も外聞もない。むしゃぶりつく。柑橘系の酸っぱさと程良い甘さが舌に堪える。ありがとう、落とし主様。第三関門の長尾平へ到着したのは6時間39分。この区間3時間ジャスト。大ブレーキである…。
※第3関門からゴール
長尾平でとうとうベンチに座る。ハセツネ中に腰を下ろすなど、初めての経験だがとりあえず休みたかった。先ほど拾い食いした食糧のカロリーが体に行き渡る感覚と同時に元気になってきた。人間の体とは不思議なものである。10分ほど休憩して再出発。下りではやはり呻くものの平地や軽い上りは走れる状態に。日の出山頂からの都内の夜景を初めてゆっくりと眺めた。ベンチに座って夜景を堪能し金毘羅尾根に向かう。三頭山の登りから「何を私はやっているのだ?」という自問自答を数百回繰り返してきたが、金毘羅尾根まで来るとそれが生命や血の流れを感じ、家族をはじめこれまでお世話になった人への感謝への気持ちへ昇華し、自然と涙が出てくる。残り5kmのポスト。苦しみの道程が終わってしまう…。苦しいけどもっと走りたいという、訳の分からない精神状態になったとき眼前に武蔵五日市の街灯が目に入り、レースは終焉を迎えた。11時間37分でフィニッシュ。
※ゴール後
奥宮さんがゴールで待っており、握手。興奮して何を話したか覚えていない。恐らく独りよがりの発言をしたのであろう。お恥ずかしい。さすがに終電はないため、近くのスーパー銭湯にバスで連れて行ってもらい入浴とお食事を済ませ仮眠し足をひきずりながら帰宅したのであった。
●総評
病のため、1年で一番走らなければならない8月に走れなかったこと、また病み上がりであったことを考慮すれば、現状最大の力は出せたと思っている。特に体と対話して無理をせず走れたことはいい経験になった。良かったことは2点ある。まず水分量だ。アップ時の湿度から水分は多めが良いと判断し、ハイドレに入れていた水を1.5リットルから0.5リットルを追加し2リットルにしたことだ。これにより脱水症状には陥らなかった。(第二関門で脱水症状によるリタイアが多かった)2点目は今年は手袋をして走ったことだ。何度か転倒したが手に傷はなく手袋の重要性を知ったことは良かった。
悪かったことはハンガーノックに陥ったこと。今回は完走タイムに合わせたカロリーを持たず、ジェルとゼリーのみで固形物を持たなかった。落とし物の食糧を拾わなかったら金毘羅尾根で動けなくなっていたかもしれない。ゾッとする。来年はこれらの反省を踏まえて体調を整えサブ10、サブ9を狙いたい。
***
さて、思い入れのある大会のため長文となってしまいましたがいかがでしたでしょうか。レースから3日経った今もまだ筋肉痛。後遺症は続きそうです。
2016 八ヶ岳縦走④ 第3日目(最終日)
八ヶ岳縦走。3日目、最終日。2日目に南八ヶ岳核心部の縦走をなんとか成功させ、最終日は北八ヶ岳の核心部を縦走。ハイライトは100名山の蓼科山。さぁ、どうなったのか!?!?
黒百合ヒュッテテント場。午前3時前に起きるも二度寝…。3時15分頃から行動開始し、朝食とテントの撤収でもたつき出発したのは4時30分。もうちょっと早くしたいものです。ヒュッテの受付にテント札を返したとこと5枚ほど返却済みの札が。やはりみなさん、朝が早い。さて、黒百合ヒュッテ見晴台からご来光。素晴らしい雲海と朝日。
高見石小屋までは一方的な下り。朝霧が幻想的で、本当に気持ちよかった!
高見石小屋から麦草峠へ出るルートはいくつかありますが、最短の丸山を経由するルートを選択。丸山山頂でしばし朝日を浴びる。
麦草峠への激下りを過ぎると苔の世界。苔好きなの母を近々に連れてきたい場所です。
麦草峠到着。蓼科山へは時間的には余裕がありますがどうも身体の調子が良くない。麦草峠の公衆トイレで用を足すもお腹がゆるく、足も痛い。麦草峠から眺める茶臼山。ガスがなんだか前途多難な感じ。
茶臼山の登りは傾斜がありまた砂地で登りづらかった記憶があります。しかし、あっという間に山頂についてしまいました。山頂から少しそれた見晴台からはこれまで辿ってきた南八ヶ岳の山々が。
右から編笠山、阿弥陀岳(登ってない)、赤岳、横岳、雲にかかった天狗岳。しばし絶景を眺め写真を収める。20枚以上撮ったかな。
ただ、体調がすぐれず足が痛い。足裏が痛いのでどうやら靴が合わないよう。靴紐を強く締め過ぎたのか?地図を眺めルートを再考。無理せず縞枯山を降りたら北八ヶ岳ロープウェイで下山するルートに変更することをほぼほぼ心に決めましたが…。茶臼山山頂に戻ると、見るからにトレランやってそうな屈強なお兄さん達が登頂されており声をかけられました。
屈強なお兄様「今日はどこまで?」
若輩「北横岳、蓼科山へ行こうと思いますが、ちょっと時間的に無理なのでロープウェイで降りようかと…。」
屈強なお兄様「まだまだ8時半、全然行けるでしょう!?」
若輩「そうですよね!」
と、やりとり。さらにはトレラン話で盛り上がり、屈強なお兄様たちはどうやら山梨の方々らしく、トレランレースは身延山 七面山修行走がおススメだよ!とのこと。そんな感じで気分も向上。当初の予定通り蓼科山へ向かうこととしました!
縞枯山。山頂付近はその名の通り、縞枯現象地帯。
雨池峠では三ツ岳を通らず縞枯山荘方面から北横岳へ上るルートを選択。蓼科山へ向けて極力体力は温存したいところ。さて、縞枯山荘は絵にかいたような山小屋で思わず写真を撮ってしまいました。泊まってみたいですね。
北横岳はロープウェイで2,200mまで来られて実質200m程の標高で山頂に到達できる、標高が高い割にはお手軽なルート。このため老若男女が登っておられました。山頂も絶景でこれなら年老いた両親でも登られそうです。
山頂から北側を望むと蓼科山が!気合一発スタート!
蓼科山へ向かうルートは2つあり、大岳、双子池に寄って亀甲池へ向かうルートと、最短で亀甲池へ下るルートがあります。しかし地図をよく見なかった私は、山頂から下りるルートは一つしかないと思い込み、道標を確認せず目についた下山ルートから蓼科山へ向かいました。歩けど歩けど蓼科山は左手後ろに向かいます。おかしいと気づいた時にはもう大岳に近づいていました。
…やってしまった。北横岳に戻る気力もなくこのまま双子池へ下ることに。ここは「天狗の露地」と言われる大岩が連続する岩礁帯。岩と岩を跳ねながら歩くさまはまさに天狗…。
追い打ちをかけるように足裏が限界に。一歩一歩が激痛。呻きながら歩く。双子池に着いた時は草むらに荷物と靴を投げ出し大の字に転がる。
もう、限界!蓼科山は回避!!!
で、あればロープウェイで下山していれば良かった。と後悔しながら30分程大休止。
双子池ヒュッテの方に竜源橋バス停までの道のりを聞いたところ、亀甲池まで行けばあとはなだらかな下りとのことで、ゆっくり下山することに。もうそれはゆっくり。亀甲池では本来なら2時間前にはここに来ていたはずなのにと思いながら足裏をマッサージ。(しかし、この足で蓼科山へ行かなくて正解でした)
天祥寺原から望む蓼科山。敗退ではない。勇気ある撤退だ!今秋の再チャレンジを誓いバス停へ向かうのでした。
足裏の激痛に呻きながら竜源橋バス停に到着!ここでも路肩の草むらに大の字になり倒れ込む。ビーナスラインを疾走する車、バイクから怪訝な視線を受けるも、それがどうした。もう体力などないのだ!時刻表を見ると茅野駅行きバスまで2時間待ち。あぁ、長い。。。
バスは直接茅野駅に向かうわけではなく蓼科リゾートをグルグル巡回する巡回バス。1時間30分近くバスに揺られ…、茅野駅に着いたのは17時30分。臨時特急あずさに乗り込みお疲れビール。
地図を見返し、反省と再挑戦時の対策。次回は、キレット小屋、麦草峠の2泊で三ツ岳も含めるルートで縦走しようと思いました。ただし!大岳は絶対に行きません!!
★第3日目★
ルート:黒百合ヒュッテ ~ 竜源橋
歩行距離: 18km
累積上昇高度:1,332m
行動時間:9時間30分
★ルート&標高★
2016 八ヶ岳縦走③ 第2日目
八ヶ岳縦走。前置きが長くなりましたが、登山開始です。八ヶ岳核心部を一気に縦走するのでいやがおうでも気合が入ります!
★第2日目★
ルート:観音平 ~ 黒百合ヒュッテ
歩行距離: 16km
累積上昇高度:2,621m
行動時間:10時間
前日は未明まで雨。テントを叩く雨音に日付が変わるまでなかなか寝付けませんでした。しかし、開き直った途端寝たようでいきなり午前3時のアラーム。まだテントには雨の音が…。二度寝…、次に目が覚めたのは5時。テントから顔を出す。小雨ではあるものの木々の間から望む空は明るい…。しくった!寝坊だ!大急ぎで準備してなんとか午前6:00に出発。想定より2時間遅れの出発。本日の目標の黒百合ヒュッテまでたどり着くか不安な出だし。
スタート時間が遅れたこともあり、編笠山までの激登りをガシガシ登ります。編笠山は標高2,523m。観音平の標高は1,580m。3kmほどで1,000mを稼ぐという、とんでも激登りです!しかし、森は素晴らしい。ふと足を止めると木々の間から光が。
標高2,000mから攀じるような登りになり息遣いも荒くなります。薄暗い神秘の森のなかを歩いていると、急に明るくなりました。ふと振り返ると、雲海。素晴らしい!!
そして一気に頂上へ!…頂上から望む、権現岳、赤岳。まだまだ先は長い…。
ちなみに頂上からは雲海から顔を出す、富士山、南アルプスが望めました。今回、縦走中の上位に入る絶景です。
さぁ、権現岳、赤岳。待ってろ!
しかし、ここまでトレランのように飛ばしてしまったこの足。後半にどう響くか…。下り始めると青年小屋それから権現岳が。下って、登ってのルートが丸見えでちょっと滅入ります。
大岩群をぴょんぴょん跳ねて、青年小屋到着!&素通り!先を急がねば!
権現岳。八ヶ岳核心部の先鋒といったとことでしょうか。頂上までガレた感じですが、まさかあれを登るとはこの段階では思ってもいませんでした…。
とはいえ、まだまだ元気。あっという間に権現岳頂上に到達。権現岳から望む編笠山越しの南アルプス。さすがに2,500m以上となると高度感も凄い!
赤岳はまだまだ先。
頂上付近。足を踏み外せば、重大事故必至。慎重に一歩一歩進みますので時間のわりには距離は稼げません。キロ30分、40分とか、そんな速度。
権現岳からキレット小屋へ下るルートに有名な大梯子。三点支持でしっかり、確実におりました。
赤岳が隠れたり顔を出したり。
キレット小屋を過ぎると、ロッククライミング要素が高いルートに。写真の通り、◎印や矢印を目標に登ります。たまたま先行者がおらず落石の危険は少なかったですが、ヘルメットが必須なルートだと思います。
夢中で登ると赤岳山頂。しかしガス。
おざなりなピンボケ写真で満足し、そそくさとお昼タイム。カップラーメンとわかめスープ。下界の数倍美味しい補正は、山ならではのもの。30分ほど休憩で再スタート。赤岳頂上でポケモンGOをして歩きスマホしている人たちがいてヒヤヒヤ。しかしどんなモンスターが出るのか興味はありましたが・・・・。横岳を縦走する痩せ尾根から眺める業者小屋。冬山に来てみたいものです。
痩せ尾根。写真で見るとヒヤヒヤしますが、実際はそうでもありません。剱岳に比べれば、安全なルーとですね。
横岳に到着。やはりガス。素通り。
横岳から赤岳鉱泉を望む、断崖絶壁。気持ちよし。
厳しいルートが影を潜め、硫黄岳へむかうたおやかなルートに変わりました。つまりは八ヶ岳核心部も後半になったということですね。
硫黄岳、根石岳のルートでそこかしかに咲いていた高山植物。鮮やかなピンクの花びらに、「今、幸せの絶好」とひとりごと。
硫黄岳山頂。八ヶ岳核心部を縦走してきたパーティはヘルメット姿で興奮冷めやらずといったとことろ。
一方で日帰り登山のパーティは阿弥陀岳、赤岳、横岳の起伏を眺望しいつかは登ってみたいねと、談笑し。平和な山頂。
さぁ、休憩もほどほどに黒百合ヒュッテへ。
夏沢ヒュッテを過ぎると、白い砂地に背丈が低い特徴的な木々。根石岳の周りは強風のせいかこのような景色がずっと続いていました。そしてこの辺から、足が痛くて痛くてペースも落ち、少し進んでは休みの繰り返し。
根石岳山頂の写真も撮る気にならないほど、足が痛い。気づけば天狗岳。15kg近いザック。足に力が入らず、踏ん張れない瞬間がいくつかあり転びそうに。転んだら一瞬にてアウト。序盤のハイペースを呪っても時すでに遅し。
天狗岳からはひたすら下る。ただし、大岩を跨いで下るような難所。最後の最後で足に鞭を入れられる。恐るべし、八ヶ岳。なんとか16時に黒百合ヒュッテに到着!すでにくつろぐテントの群れが。
私も、本当は15時前には到着して、ビールを飲んで本でも読むという、そんな予定だったのですが…。寝坊と序盤のハイペースで大いにペースが狂った山行。勉強になりました。ボイルソーセージとビールで核心部縦走を振り返る。最高のひととき。
隣のテントのご家族と談笑し、これまで一番良かった山、明日の天気、ルートを語らい夕飯を済ませ、気づけば20時。明日は、北八ヶ岳核心部、北横岳、蓼科山を登る。さぁ、寝よう。
*ルート&標高*
2016 八ヶ岳縦走② 第1日目
夏休み初日。二度寝なんかして、ゆっくり起きてゆっくり準備。13時30分の臨時特急あずさで小淵沢へGO!
★第1日目★
ルート:小淵沢駅 ~ 観音平
歩行距離: 10km
累積上昇高度:779m
15:10 小淵沢駅出発
17:15 観音平駐車場着
20:00 就寝
以上で第1日目は終わりますが、波乱万丈というかなんというか…。まず、水は観音平へ向かう道中のコンビニもしくは自販機で調達することとしました。少しの距離でも装備は軽くして歩きたいということで、ザックにはノー水。話はそれて、特急あずさの車中。「今日は観音平までのロードを歩くだけ!」ということで、景気づけとばかりにビールを摂取。テンションもMAX!小淵沢駅に着いたときには、ほろ酔いで喜々として観音平へ行軍!信玄棒道との分岐では10kg超えのザックにもかかわらず走ったりなんかして。そして、観音平まであと数キロとなった時、喉の渇きとともに気づきます。
「あ、水、忘れた…。」
時すでに遅し。しかし、一縷の臨みとして観音平の水場「延命水」に賭けます…が、枯れていました。絶望と霧が立ち込める観音平。
呆然とベンチに腰を下ろし、撤収を決断しかけた…その時!北杜市の職員の方が軽トラで簡易トイレ掃除に来られました。イチかバチか、麓まで自販機のあるところへ送っていただけないか交渉したところ、快諾いただき、また、水を購入後は、改めて観音平まで送り届けていただきました。涙が出るほど感謝し謝罪しました。(実際、車中で自分の浅はかさに反省し、登山の資格などないと、謝り倒しでした)観音平を去るその軽トラが見えなくなるまで首を垂れたのは言うまでもありません。
20時に就寝しましたが、夜半から雨が強くなり、テントを叩く雨音に寝られません…。耳栓を忘れてしまったことを後悔しても時すでに遅し。何度も寝返りをして気づけば午前0時を過ぎていて…。明日は天気次第で撤収もやむなし…と考えたその刹那、朝でした…。あぁ。寝坊。。。(2016 八ヶ岳縦走③ 第2日目に続く)
*ルート&標高*
2016 八ヶ岳縦走① プロローグ
日本版ポケモンGOのリリースと時を同じくして、夏休み(前半)をいただきました。夏休みの予定は特に何も無かったのですが、テント泊を久しぶりにやってみたくなり、それに合わせて数年前から思いを馳せていた八ヶ岳縦走に挑戦することとしました。
さて、スケジュールです。連休は4日間。恐らく前日まで残業だろうということ、また、マイカーを持たない今どき男子(?)の私は公共機関かわが足に頼るしかなく以下のような予定としました。(株ネコ・パブリッシング社の「八ヶ岳トレッキングサポートBOOK2016」がかなり参考になりました。また、気づけば、八ヶ岳の山と高原地図は2014年版と古いものに…。時は速し)
■スケジュール
1日目:特急あずさで前のり&テント泊
特急あずさでお昼過ぎに小淵沢駅到着。そこから観音平駐車場まで歩き。
2日目:テント泊
観音平~編笠山~権現岳~赤岳~横岳~硫黄岳~根石岳~天狗岳~黒百合ヒュッテ
3日目:バス&特急あずさで帰宅
黒百合ヒュッテ~麦草峠~茶臼山~縞枯山~北横岳~蓼科山~蓼科山登山口~茅野駅(バス)
■準備
早速、必要装備を整えました。基本的な装備(登山靴、テント、シュラフ、クッカー類、エマージェンシーキット、レインウェア)は全く問題ありません。しかし、縦走に絶対に必要なザックをもっていないことに気づきました。トレランザックではもちろんテント泊縦走は不可。唯一大きいザックでOMMの35Lザックがありますが、2泊3日の縦走には耐えきれません。ということで、早速、マウンテンハードウェア原宿店へ。目星をつけた50Lザックはマウンテン仕様とアルパイン仕様の2つ。
オゾニック50 アウトドライ
Ozonic 50 OutDry
ダイアティッシマ50 アウトドライ
Direttissima 50 OutDry
何度も背負って比較したところ、アルパインのダイアティッシマ50の方がしっくり背中に合います。超絶イケメン店員さん(自分の容姿と比較して自己嫌悪に陥るほど)のアドバイスもいただき、ダイアティッシマ50に決定。自宅に帰って、無駄に荷物を詰め込み背負ってみる。鏡に映ったダイアティッシマ50。恰好いい!!しかし背負っているのは超絶イケメン店員さんではなく、私。。。なんか、原宿店で見たのと違う笑。また、貯まったポイントでアフターシックスポーチを購入しました。
さぁ、準備万端!出発です!(2016 八ヶ岳縦走② 第1日目に続く)
レースレポート13 2016 OSJおんたけウルトラトレイル100K レースレポート
今年、一発目の100kmレース、おんたけウルトラトレイル100Kに参加してきました。
この大会は2回目の参加。前回参加したのは2012年。10時間45分と前半抑えたペースで入り後半に爆発するという会心の走りができたレースでした。4年ぶりに参加した今回は二つの目標を設定しました。まず、前回よりもタイムを縮めること。そして全区間、走り切ることです。4年間、経験もトレーニングも積みましたし、全部走り切れるだろう。と。
大会名 :OSJおんたれけウルトラトレイル100K
開催日 :2016年7月17日(日) AM0:00スタート
開催場所:長野県木曽郡王滝村
累積上昇高度:3,100m
タイム:11時間10分
さて、結論、結果は…。目標は2つとも達成できず!ただ、我の実力を知ることができたこと、ゴールの喜びを感じれたという点では、満足できる大会でした。
■レース前
4月、5月は月間300km近く走って充実したトレーニングを積めていましたが、6月の異動後は月間100km足らず。明らかなトレーニング不足…。結果、これが痛かった…。さて、マイカーを持たない私は現地には電車でGO!特急あずさと特急しなのを乗り継ぎ、スタート・ゴール地点の松原スポーツ公園に着いたのは15時。テント設営は不可。ですので管理事務所?の脇で寝袋を敷いて、なんちゃってビバークです。街灯に集う大小様々な虫達と一緒にお休み。郷にいては郷に従え。なんだかんだで寝られるものです。(さすがにミニ四駆みたいな大きさとフォルムの蛾には奇声を上げてしまいましが…)
■スタート
スタート時の気温は暑くもなく寒くもなく。雨も降っていません。号砲後は20番手ぐらいの位置をキープ。ロードはキロ5分、林道に入ってからは登りはキロ7分、10kmのピークから第一関門まではキロ6分~5分と、快調な走り出しです!途中、足を挫いて大転倒、前回り受け身しますが、幸いにして擦り傷程度で済みました…。第一関門直前の急登でじわじわと足が重くなってきました。しかし、走り切るという命題を胸に抱きしめているため、無理をして走りました。結果、キロ9分と早歩きと変わらないペース。これが後半にどう響くか。
■第一関門 35km 3'19''
第一関門出発早々、またアクシデント!何でもないガレ場の緩い下りで転倒してしまいました。幸い体はノーダメージでしたが、メガネが外れてしまいました。メガネは何とか見つけましたが、なんとレンズがない!!地面を這いつくばってレンズを探していると後続のランナーさんが声かけてくださり、5,6名で私のメガネレンズを大捜索!!すぐに見つかりましたが、その様はコンタクトが外れた元広島東洋カープの達川状態。まさかこのおんたけの山中で再現されるとは…。捜索にご協力いただいた皆様に土下座するほどお礼を述べレース再会。そこからは下り基調のコースでなんとか調子を取り戻しすことができました。小エイドの50km地点では、一番気力に溢れていたところでした。が、小エイドで水を補給しない痛恨のミス。小エイド前でハイドレを掴んだところ、指の感覚から十分にあると思い込みましたが、夜が明けるとともに湿度と温度も上がりそれに比例して水分摂取量も一気に上がり、55km地点で水がなくなってしまいました…。天然エイドも少ない区間、さらには食糧も尽き…。絶望的。追い打ちをかけるように第二関門までの登りがエグい…。同じような景色が延々と続き、同じ場所をぐるぐる走っている感覚でした…。
■第二関門 66km 7'07''
第二関門で水と食糧を補給、まさにオアシス。しかし、身体へのダメージは大きく、一気にペースダウン。本来ならば、ここから第三関門までペースを上げていかなければならないのですが、調子は良くなりません。70km前後のアップダウンが激しい区間。雨も本降り状態。時折、土砂降り。そしてとうとう歩いてしまいました。たまらず。です。さらには下りでトップ女子選手に抜かれてしまい、追う気力もなく…。
■第三関門 81km 9'04''
身体のダメージとは裏腹に、テンションが異様に高く、普段あまりコミュニケーションをとらない私ですが、エイドのスタッフさんと笑い話に興じるなど、精神面では余裕があったようです。「ようです」というのは、あまり記憶がないのです。最後の登りは当初は走りましたが、結局、歩くペースと同じ。急登は早歩きに徹しました。結果、ペースも取り戻し、90kmからゴールまでなんとキロ4分半を切るペースで走ることができました。ここにきてこの力の漲り方はなんなんでしょうか。最後のロードはとんでもない土砂降りでしたが、これまでの100kmの道程を思い返し、自然に涙が出てきました。不思議な感覚でした。
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さて、振り返りです。
課題は3つ。まず、後半の体力。30km過ぎから足が重くなり、70kmからは思うようなペースで走ることができませんでした。もちろんペース配分を誤ったところもありますが、全部走り切るという命題に対して、まだそのレベルに無いことが分かりました。ウルトラマラソンの練習方法を勉強したいです。そして2つ目は補給。今回脱水症状に陥りそうになったのは私の完全なミス。それとは別に感じたのは、ペースが落ちると自暴自棄になって補給も億劫になりがちになること。そして悪循環に。補給に関して改めて勉強しないといけません。最後に「シューズ」今回、adizero boostのトレイルシューズを新調しましたが、やはり合いませんでした。クッション性最高だったのですが…。総合するとまだまだ「のびしろ」は、ある。ということですね。
さて、次は信越五岳。実家に近いということもあり、家族、旧友も応援してくれますので、気合入れてトレーニング再開です!
※帰りのあずさでは木曾谷の地酒、中乗さんを堪能!うまかった~